「事を遂げる者は愚直でなければならぬ。才走っては上手くいかない」
2019/08/09
「事を遂げる者は愚直でなければならぬ。才走っては上手くいかない」
言わずと知れた幕末の政治家、勝海舟(勝麟太郎)の名言です。
私の周りでも、頭の良い人というのは[新しい試み]に対して、先々に現実的な部分を考えてしまう余り「あれが難しい」「こういう問題が生じる」とリスク面ばかりを挙げてしまう傾向が多く見られます。
以前に海外で活躍している日本人技術者を取り上げたテレビ番組がありました。
その技術者の方はインタビューの中で「先々に考え過ぎると足が停まってしまう」と言っていました。
先ずは取り組んでみる。そして問題が生じた時にその一つ一つをクリアして行くのだと。
日本の企業が海外で新たな事業に取り組む場合、文化や風習の違いから多くの難題が待ち構えています。
現地での資材・物資の調達然り、現地スタッフの確保・教育もあれば、気候面や流通等、ありとあらゆる要素を考慮した上で調整を行い、成功に導くための体制作りをしていかなければなりません。
これは誰が考えても大変な話です。
新規事業を考える場合、事前にプロセスや収益性を確認するのは当然のことですが、頭の良い人は完璧さを求めるあまり、不確定要素が多い案件に対しては「思い通りにいかない」ことを理由に躊躇する傾向が強いものと感じます。
もちろん、頭の良い人というのは一定の状況変化に応じ、プロセスを補正しながら成功に導くためのしっかりとした事業計画を検討することでしょう。
しかし、綿密な計画(針の穴をも通さぬ)が立てられないものについては、つい否定的になり[出来ない理由]が先だってしまう。
結果、[出来ない理由]を理路整然と並べ立て「リスクが大きすぎる」ということから、新しい試みに足を踏み出せないということが多く見られます。
よって、勝海舟は事を遂げるには[愚直]な者の方が適任だという考えを持っていたのでしょう。
[才]のある人も[才を先走らせる]のではなく、先ずは事を始めた上で、問題に直面した時に自らの[才]を信じ、その一つ一つを解決していこうという心持ちを持って臨むことができれば、勝海舟の名言を超えられるのではないでしょうか。
私は才を持っていませんので、これからも愚直にやっていきたいと思います。