神々しい静謐さが漂うスピリチュアルスポット~知内公園(1)姥杉と奇祭おっぱい祭り
歴史溢れる道南の町「知内町」。
町内には様々な遺跡や史跡の他、神秘的でスピリチュアルな場所やパワースポットが点在しております。
その中でも今回は~精霊の住まう場所~「知内公園」をご紹介します。(画像は2016年5月17日撮影)
知内公園は町中心部にある知内町役場から約600m。
国道228号線を福島町方面に向かって400m程走ると左手に交番があります。この交番を過ぎて(80m程)2本目の道(1本目は私道)を左折し、直進すると見えてくるのが上の入口です。
完成は昭和51年6月。
園内には墓地、遊具の他、スピリチュアルな観光スポットである「姥杉」と「荒神社」が祀られています。
四季折々の自然を楽しむことができる公園
また、春には桜が美しく咲き乱れ(大凡4月下旬から5月下旬)夏は鮮やかな緑、秋には艶やかに色づく紅葉を楽しむことができ、季節毎に様々な趣を見せてくれる庭園が広がっています。
自然の地形を利用してつくられており、入口から奥に向けてなだらかな傾斜が続き、訪れる者に奥深い印象を与えています。
公園入口から奥に進むと案内板があり、左手には姥杉、奥に荒神社(荒神社の黒松)の表示があります。
我々は先ず、姥杉の撮影に向かいました。
景色を楽しみながら自然と親しめる場所「知内公園」。
園内には東屋も設けられており、休憩を取りながらの散策も可能です。
スピリチュアルスポット「姥杉」
奥に見えてきたのが姥杉(乳母杉)です。
無個性な木々が立ち並ぶ杉林の中、唯一独特のフォルムを呈しており、一目でそれが姥杉だと分かります。
このポイントに立っているだけで我々は目に見えない「気」のようなものを感じました。
まるで生き物のように自由に歪曲に枝を伸ばし、自らの存在を誇示しているかのような堂々たる佇まいの霊木「姥杉」。
容易に説明することの出来ない見る者を魅了してしまうインプレッション、圧倒的な力を感じる存在感。
姥杉が放つ神々しいオーラの前に我々は言葉を失い立ち尽くしました。
推定樹齢は750年(もう少し若いとも言われています)。
幹回りは2m弱(最太部)、樹高25m(推定)もの大木です。
北海道では由緒由来がある樹木を「北海道自然環境等保全条例」に基づいて「記念保護樹木」に指定し、保護保全を行っています。
この姥杉も24本指定されている内の1本として、大切に保護されているそうです。
「姥杉」の由来
石碑には
「乳不足で苦しむ母親を助けてあげたい」と遺言し、弘長十二年(1262年)に亡くなった雷公神社の祖了徳院重一の妻玉之江を葬った場所に植えられたと伝えられる杉で、姥杉神社のご神体。根元の大きな瘤は現在は一つだが、以前は女性の乳房のように二つあったといわれている。
乳不足に悩む母親が、この木に洗米を供えて授乳を祈願し、持ち帰ってお粥にして食べると乳が出たため、この木を敬愛して「乳母杉」あるいは「乳神さん」と呼び、授乳や安産の神様として古来より信仰されてきた。
なお、女性だけの祭り十七夜講祭が一月にとりおこなわれている。平成7年3月 知内町
との記述があります。了徳院重一逝去の後、妻の玉之江も病気を患いました。その際に自らの亡骸は最も見晴らしの良い場所に埋め、隣に杉の木を植えて欲しい。乳不足で悩む母親達に乳を授けたいという遺言を残し、彼女はこの世を去りました。
残された家族は彼女が言い残した通り、見晴らしの良い丘の上に亡骸を埋葬して祠を建て一本の杉を植えます。
すると、この杉の根元には生長とともに乳房状の二つのコブが隆起しました。その話を聞きつけた乳不足に悩む母親たちが祈願のために洗米を供えてコブを摩り、持ち帰った洗米を粥にして食べたところ、乳の出が良くなったということから、以降、この杉が「乳母杉」「乳神様」と呼ばれるようになったと伝えられています。
こちらがコブの画像です。画像中央をご覧下さい。
「ん?」我々が確認した限りでは何故かコブが一つしか見当たりませんでした。
非常に疑問に思ったため、その後調べてみたところ、伝説を疑う者がコブを切り落としてしまったと言われているそうです。
正に神をも冒涜する「鬼畜の所業!」。
尚、切り取られた部分からは血のような赤い樹液が流れたと伝えられています。
しかし、因果応報、バチが当たったのでしょうか。その後、その不届き者(男)は狂い死んだと言われているそうです。
知内銘菓おっぱい饅頭
こちらはその名も「おっぱい饅頭」。
姥杉の伝説にちなんで製造販売されている土産物です。
練乳を練り込んだ白餡の表面をホワイトチョコレートでコーティングしており、デザインへのこだわりが感じられます。
しっとりとしていて口当たりが良く、その滑らかな食感は一度食べると忘れられないほど印象的なものとなっております。
「道の駅しりうち」他で取り扱っておりますので、知内にお越しの際は是非お買い上げ下さい。
奇祭「おっぱい祭り」~男子禁制です。
町内にある北海道最古の神社「雷公神社」では、毎年1月17日に「十七夜講」という女性だけのお祭りが行われています。
米粉を練り乳房に模した「しとぎ」をお供えし、祈願するというお祭りです。
この「しとぎ」が登場することから、別名「おっぱい祭り」とも呼ばれています。
現在では粉ミルクが登場したこともあり、母乳にかかわる祈願をされる方は少なくなっているものと思いますが、姥杉のご利益にあやかろうと、家内安全の祈願や厄払いのため、遠方からも申し込みがあるということです。
「親思う心に勝る親心~」
今日では本来の祈願の目的で訪れる方は少なくなったようですが、子を想う母親の愛情の象徴として姥杉は今も大切に護り続けられています。
知内町のスピリチュアルスポット知内公園の「姥杉」。
道南観光の際は是非、足を運んで頂き、その神々しさをご体感下さい。
住所・地図・アクセス(北海道新幹線木古内駅より)
◇住所|北海道上磯郡知内町字元町49
◇アクセス|木古内駅から車で約16分(約10㎞)